●靴クリームの種類
靴を手入れするには靴クリームが欠かせません。靴クリームは大別すると、ビン、またはチューブに入ったペ
ースト状の乳化性と、缶に入った半固形状の油性、および液状の三種類になります。
1)乳化性クリーム
つや出しや保革性のほか着色性に優れており、染料と顔料を併用するのが容易なので、自由に着色が出来
ます。このような利点があるため靴の色に合わせて60色以上が生産されています。
2)油性クリーム
ワックス(ろう)分が多いので、つやがよく出るほか革の表面に厚くて丈夫なワックス皮膜を作ることが出来ま
す。このため防水性に優れ、傷や汚れに強いタイプです。
3)液体クリーム
以前はエナメル、スエード、白革など専用のものでしたが、近頃は磨かなくても塗るだけでつやの出るものが
発売されています。しかし、樹脂の入っているものは、革にとってあまり良いとはいえません。
●靴の手入れ
靴の手入れは、実は新品をおろすときから始まります。油性クリームを布に付けて、薄くまんべんなく延ばしな
がら塗ります。これで、革の表面にワックスの膜を作り、水気やしみ、傷を防ぎます。普段からは、クリームを塗
る前に靴に付いている汚れをよく落とすおとが大事です。
毎朝、柔らかな布にクリームを付けて、軽く磨くくらいでいいでしょう。しかし、2〜3日に一度は次の手順で入
念に手入れをしましょう。
1)まず、竹ベラなどで底の泥やごみをよく落とす。
2)ブラシで縫目やひもの間などのほこりを丁寧に払う。
3)指先に巻き付けた布にクリーナーを付けて、少し力を入れながら、革の汚れ、古いクリーム、油などをこすり
落とす。
4)次にクリームを塗る。ビンに入った乳化性が、栄養を含んでいるので革のために良く、色は靴と同じかやや
薄めのものを選ぶ。
5)より以上のつやと防水性を望むなら、さらに油性クリームを薄くムラなく塗って、水を2〜3滴かけて磨くと、
ワックスが早く固まってよくつやが出る。
6)ブラシは、先にクリームを付けた箇所からかける。これによって、クリームの栄養分が革にしみ込んで柔軟
性を保つ。仕上げには必ず布切れを使うこと。
●保存方法
どんなに気に入った靴でも、毎日履かずに2〜3足を交互に履いていた方が、傷みも少なくお得です。靴にも
休みが必要ということです。
靴の大敵は雨です。雨の日に一日中履いていた靴は、晴れた日の一ヶ月分ほど消耗するといわれます。乾く
と油が抜け、繊維が絡み合って革が硬くなります。また翌日になると表面に白い膜が浮き出すことがあります。
雨に濡れた靴は、まず真水で白い膜の部分を全体にぼかしながら拭き取り、今度は乾いた布などで水分を軽
く吸い取るようにします。
そして、型崩れを防ぐため新聞紙を薄紙に包んで靴の中に詰め、湿気をこれに逃がしながら風通しの良い場
所で陰干しにします。乾いた後は乳化性クリームをよくすり込んでおきます。
普段履かない靴をしまうときは、湿気の少ないところに保存しましょう。湿気によるカビは靴をダメにしてしまう
のでカビ止め入りのクリームを塗ると良いです。また履きジワのついたまましまわないで、シューキーパーなど
の保形型を入れて保存するとベストです。 |